ノマドワーキングを実践して重要だと思ったこと
ノマドワーキングを実践して、強く重要だと思ったものを列挙してみました。
クラウドサービスの活用
基本です。これがないとノマドワーキングを実践すること自体が難しいです。今さら説明する必要もないですね。
怠けない自律心
フリーランスであれば、ノマドワーキングに限らず自律心がないと仕事は続けられないのでそれは説明するまでもないのですが、組織の場合は、メンバーが他者に監視されない環境に自分を置くことになるので、自律心が高い人が多数派でないと仕事のパフォーマンスは劇的に低下します。
評価制度などをうまく調整することである程度はコントロールできると思いますが、やはり自律心が高い人が多数派でないとすぐに破綻すると思います。
ユルくても豊富な人脈
専門職だけの職場でも特定の価値観に固定されるという問題は起きるのでノマドワーキングに限らない話ですが、特にノマドワーキングでは、一人で黙々と仕事をすることが多くなるので、自分が関心の薄い情報との接触が希薄になりがちです。
そのため、自分とは価値観が違い、自分に新しい価値観や情報を与えてくれる人との交流が重要になるのですが、仲がいいほど大抵は価値観が近いので、それほど仲がいいわけでもなく、共通の価値観を持っているわけでもなく、何となく交流のきっかけを持っているユルい人脈を持つことが重要になります。
リアルなら業界や地域の団体、オンラインならTwitterやFacebookなど、ユルくても豊富な人脈を持つことで、自分の価値観の停滞を防ぎ、新しい時代へ適応する力につなげることができます。ノマドワーキングを実践する人は、少なくとも何かしらのプロフェッショナルであると思うので、これはかなり重要なポイントです。
きっかけは飲み会でも何でもいいので、自分と違うタイプの人とたくさん交流するのは大切だと思います。
ビジネスアーキテクチャの構築スキル
あまりフォーカスされないのですが、ノマドワーキングにおいて重要な項目の一つがビジネスアーキテクチャの構築スキルです。
ノマドワーキングやコワーキングは多くのベネフィットを持つ一方で、きちんと仕組みを作りこまないと、予想外のコストやリスクが発生することも少なくありません。
ビジネスの構造をきちんと構築できるスキルはかなり重要であると言えます。
信頼を得るためのブランディング
日本では特に、ノマドワーキングやコワーキングはまだ社会的に理解を得ているとは言い難い状況であるため、そういったワークスタイルは信頼性の欠如につながることが少なくありません。
それをカバーするために、自分たちがどういった価値観でどう仕事をしているのかという情報をリアルでもソーシャルメディアでもいいので積極的に発信して、自分たちを知ってもらうと同時にブランディングすることが重要になります。
ノマドワーキングは万能ではない
ノマドワーキングは万能ではありません。
前述したように、組織の場合は自律心が高い人が多数派でないと破綻しやすいこと、きちんとビジネスアーキテクチャを構築しないと予想外のコストやリスクが発生すること、そしてノマドワーキングを採用できる仕事であったとしても、仕事の生産性を著しく低下させるケースがあります。それは、組織のメンバーが常時チームとして機能しなければならない仕事です。
モバイルインターネットを活用したチーム活動は、メンバーが多いほど、実際に集まって仕事をするのと同等のパフォーマンスを出すことが難しく、チームというよりもグループの状態になりやすいと思います。
集団(グループ)とチームは同じではない。この項では、グループとチームの違いを定義し、明確化する。第7章で、集団を「特定の目的を達成するために集まった、互いに影響を与え合い依存し合う複数の人々」と定義した。
すなわちグループとは、メンバーが各自の責任分野内で業務を遂行するのをお互いに助け合う目的で、主として情報を共有し意思決定を下すために互いに交流する集団である。
グループでは、能力と努力の重ね合わせを必要とするような集団作業の必要も機会もない。したがって、その業績は個々のメンバーの貢献の総和にすぎない。全体的な業績水準を投入量の総和よりも高くするようなプラスの相乗効果はない。
チームは、協業を通じてプラスの相乗効果(シナジー)を生む。個々人の努力は、個々の投入量の総和よりも高い業績水準をもたらす。
組織行動のマネジメント(スティーブン P. ロビンス 著 高木晴夫 訳)より引用
(この本、かなりオススメです。これまで読んだ中で仕事に役立つ本を10冊挙げろと言われたら、そこに入れます。)
フリーランスや組織でもメンバーがチームとして機能するべき時間が限定されていてもいい場合はノマドワーキングでも効率良く仕事をすることができますが、常時チームとして機能しなければならない場合は、止めておいた方がいいと思います。